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ベントス

ベントス

 河川、湖沼、ダム湖、海洋に生息する生物のうち、「全くあるいはほとんど常時水底に着いたままで生活する生物」のことです。動・植物ともに含む場合もありますが、一般には動物を対象にすることがほとんどです。

目的

餌料生物としての役割や水質の汚染状況を知る―――淡水ベントス
海の汚染状況や種の多様性、分布を知る―――――海産ベントス

調査地点

河川であれば上流域、中流域、下流域、汽水域など。
湖沼、ダム湖では湖央部、湖岸部、入江、流入水など環境の違いを考慮します。

採集場所

流心部、川岸部、瀬(早瀬・平瀬)淵、水草帯・砂礫帯・転石帯
沈んだ落葉があるプール、ヨシ群落、石裏の砂地流入水、湧水、護岸部など
一地点30~100m程度の範囲で採集します。

採集方法

定量採集

一定面積の面積内の川虫を採集することによって、どのような種が、どれだけいるかを個体数と重量から知る方法です。

定性採集 採集面積を決めずに、環境の異なる複数の場所で採集する方法です。この方法はその河川にどのような川虫が生息しているかを知るのに適しています。
定性採集の様子

定性採集の様子

1.ネットによる定量採集

コドラート付きサーバーネットによる定量採集の様子

ハンドネットを下流側にセットし、その上の石を手でよく洗います。
コドラート付きサーバーネットによる定量採集の様子

* 定量採集の場合は、25cm~50cm四方のコドラート(針金を曲げて、黄色のビニールテープを巻く)内の石や砂利などを丁寧に手で洗い、最後に底の砂利 や砂を撹拌し舞い上がらせ、ハンドネットに生物やその他のゴミなども一緒に入れます。その後サンプルに中性ホルマリン10%を加えて固定します。

定量採集概略図

 

2.採泥器による採集

人が立ち入れない水深の大きな箇所(淵、河口、湖沼等)では、船上や橋の上から採泥器を用いた底生動物の採集を行います。採泥器では一定の面積について採集できるため、定量採集に用いられます。

 

固定液について

エタノール70~85%が一般的に使用されています。しかし、アルコールによる保存は、脱色したり、川虫のキチン化した部分が軟化したりしてしまいます。これを避けるためにホルマリンで保存しています。

2.ソーティングa(不要な小石やゴミ、枯れ葉などを取り除く作業)

本来の意味は、並び替えと言う意味ですが、ここでは、ハンドネットに採集された物を現地でバット等に移し替え、小石や、大きなゴミや枯れ葉などを取り除き、生物のみを残しサンプルビンに入れるまでの作業を言います。(現地では、大きいゴミや小石などだけです)採取したサンプルビンには、採取年月日を、採集地点名や場所を記録し、持ち帰ります。

**注):少なくとも採集日の2~3日前までは、大量の雨が降ったりしていないことが条件です。雨の後は、河川が増水し、危険で有るばかりでなく、水生昆虫なども普段の時よりも少ない事が多いからです。(増水時では、水深があまり深く無い場所では、通常時期では全く水が無い場合の可能性が大きいと考えられます。継続的に採集している場合などは、これらの条件が変わってしまうと、種類や生物の構成も変わってしまいます。)このようなことから、常にいつもの河川の状況を把握して置くことが重要です。

観察方法

1.ソーティングb(サンプルの処理)
ホルマリンを入れて持ち帰ったサンプルは、細かい目(0.5mmか1mm)の分析用フルイに移し、水道で水洗いします。これをバットに空け、ピンセットで生物だけを全てシャーレなどに入れます。
定量採集の場合ユスリカなど小さな生物が多数入っている場合は、採取可能な量まで分割してもかまいません。

*:シャーレに移すとき、目で見て同じ種類だと思われる生物は、シャーレや容器がたくさん有れば、この時点で分けてもかまいません。

定量採集の場合には種別湿重量、総湿重量などを計測します。